■パソコンで測定する AIボード編 その2(基準化・インピーダンス)

   AIボードを使用して、アナログ信号を測定するには、信号源や測定システムの基準化の方法を知る必要があります。
   一般的に「フローティング」とか「出力が浮いている」などのように言われるものがこれにあたります。
   まずは、信号源の基準化の種類について説明します。

   1.接地信号源
    電圧の基準をアースや建物の接地箇所などにして出力します。
    ※一般的に独立した2つの接地信号源には電位差が生じます。
     これは、2つの接地間には、電位差が生じているからです。(通常10〜200mV)

   2.浮動信号源(フローティング)
    電圧の基準をアースや建物の接地箇所としません。
    電圧は、端子間の電位差となります。
    各端子は、電気アウトレットアースに接続されていないので、システム接地から独立しています。
    例として、バッテリ、熱電対、変圧器などがあります。



















   次に測定システムの基準化について説明します。

   1.基準測定システム
    測定の基準をアースや建物の接地箇所にします。
    信号源と測定システムの接地間には電位差があるので、接地信号源の測定は誤差が生じます。


















   2.差動測定システム
    測定の基準をアースや建物の接地箇所などにしません。
    入力の2つの端子の電圧をアースや建物の設置箇所を基準に測定し、その差を測定値とします。
    理想的な作動測定システムではコモンモード電圧(接地と入力端子間の電圧)を完全に無視できます。


















   アナログ信号を測定する場合は、上記以外にも信号源のインピーダンスを考える必要があります。
   バッテリ、RTD、ひずみゲージ、熱電対等の信号源は非常に低いインピーダンスなのでAIに直接接続できます。
   しかし、信号源のインピーダンスが高い場合は、注意が必要です。
   AIの入力インピーダンスに対する比を小さくしないと測定値に誤差が生じます。(AIの入力インピーダンスを高くする。)

   信号源や測定システムの特性を理解しないで測定をおこなうと、測定値に誤差が生じます。

   大切な設備を壊したり、人体に危害が加わることもあるので、しっかり理解する必要があります。

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   最終更新日:2003-04-04